―現役探偵が教える証拠作りのポイント―
離婚調停・離婚裁判に強い勝てる報告書とは?

離婚や不倫トラブルがこじれ、調停や裁判に発展したときに最も重要となるのは「証拠」です。特に浮気や不貞行為を立証するには、感情的な主張や状況証拠だけでは不十分であり、裁判所が認めるレベルの客観的資料が不可欠です。
そこで大きな役割を果たすのが、探偵が作成する「調査報告書」です。調査員が現場で収集した写真・映像・時系列記録を体系的にまとめた報告書は、法廷でも強力な証拠能力を持ちます。しかし、すべての探偵社が「裁判で通用する質の高い報告書」を作れるわけではありません。
実際、私が探偵として見てきた中には「せっかく依頼したのに証拠が弱く、調停で不利になった」「裁判官に信用されず、慰謝料の請求額が大幅に減額された」といったケースが少なくありません。
本コラムでは、現役探偵の経験を踏まえながら、離婚調停・裁判で勝つための探偵報告書の秘訣を徹底的に解説します。これから依頼を検討している方や、すでにトラブルに直面している方の不安を解消し、確実に一歩前進できる知識を提供します。
このコラムで分かること
- 探偵調査報告書が裁判・調停で重視される理由
- 報告書に必ず盛り込むべき5つの必須要素
- 法的に認められる証拠と却下される証拠の違い
- 判例から学ぶ有効・無効な報告書の事例
- 探偵に依頼する際に確認すべきチェックポイント
- 依頼者自身ができる準備と証拠保全の方法
- 実際に勝敗を分けた「報告書の差」のケース紹介
- 現役探偵からの実践的アドバイス
- FAQ:よくある質問とその回答
目次
- なぜ「探偵報告書」が裁判・調停で重要なのか?
- 裁判で使える報告書に欠かせない5つの要素
- 形式と見せ方で変わる!報告書の信頼性を高める工夫
- 判例に学ぶ:探偵報告書が有効とされたケース・無効とされたケース
- 探偵に依頼する際に必ず確認すべきこと
- 依頼者ができる準備と証拠保全の方法
- 実録ケース|勝敗を分けた報告書の差
- 現役探偵からのアドバイス:報告書で後悔しないために
- よくある質問(FAQ)
- まとめ|確実に証拠を残し、有利な解決を目指す
1. なぜ「探偵報告書」が裁判・調停で重要なのか?

離婚や不倫問題が裁判や調停に持ち込まれたとき、最も大きなポイントとなるのは「主張」ではなく「証拠」です。日本の民事裁判は 「証拠主義」 に基づいて進められるため、いくら「浮気しているに違いない」と感じていても、それを裏付ける証拠がなければ裁判官や調停委員を動かすことはできません。
1-1. 裁判や調停は「感情」ではなく「証拠」で動く
浮気・不貞の事実を立証するには、夫婦間のやり取りやメール、SNSの記録などの状況証拠だけでは弱いケースが多いです。
裁判所が重視するのは 「第三者が確認できる客観的な証拠」 です。例えば、ラブホテルや宿泊施設に出入りする写真・動画、行動を時系列で記録した調査報告書などがそれにあたります。
1-2. 「探偵報告書」は第三者による客観的証拠
探偵報告書は、調査のプロである探偵が記録した事実をまとめた文書です。
- 撮影した日時・場所が明確
- 対象者が誰であるか特定できる
- 行動の流れが時系列で整理されている
このように整理された報告書は、裁判官や調停委員から「信頼できる第三者の記録」として受け入れられやすくなります。
1-3. 調停での「心理的効果」
調停は必ずしも法律だけで判断される場ではなく、「当事者を納得させる材料」が重要になります。
探偵報告書があれば、相手側が「逃げられない」と心理的に追い込まれ、早期に有利な和解が成立するケースも少なくありません。
1-4. 裁判での「証拠能力」
裁判では、以下のような形で報告書が証拠として用いられます。
- 写真や動画:不貞行為の存在を示す直接的な証拠
- 行動記録(タイムライン):一晩を共に過ごした事実を補強する間接証拠
- 調査員の証言:報告書の内容を裏付ける証拠能力
特に「複数回の不貞行為」を裏付けられる報告書は、裁判で慰謝料が認められる確率を大きく高めます。
1-5. 弁護士にとって「使える証拠資料」
弁護士は依頼者の主張を法廷で戦う役割を持ちますが、根拠となる証拠がなければ強気の交渉はできません。
探偵報告書は弁護士にとって「訴状にそのまま添付できる」「裁判官に説明しやすい」資料であり、戦略を立てるうえで大きな武器となります。
✅ まとめると――
探偵報告書は「感情」ではなく「証拠」が求められる裁判・調停において、 事実を客観的に裏付ける信頼性の高い資料 です。
それがあるかないかで、慰謝料の有無や金額、親権の行方まで大きく変わるのです。判断材料となります。
2. 裁判で使える報告書に欠かせない5つの要素

探偵が作成する報告書は、すべてが「裁判で有効」となるわけではありません。
調査のプロが作成したものであっても、証拠能力を欠いていれば裁判官に「不十分」と判断され、依頼者に不利な結果を招く可能性があります。
では、裁判や調停で実際に評価される「使える報告書」にはどのような条件が必要なのでしょうか?ここでは、最低限押さえておくべき 5つの必須要素 を解説します。
2-1. 正確な日時・場所の記録
- 日時の正確性:
「2025年1月15日 21時30分、東京都新宿区××ホテルに入室」など、具体的に記載されていることが重要です。
写真や動画に埋め込まれた撮影データ(Exif情報)や、調査員が現場で記録したメモと一致しているかも信頼性に直結します。 - 場所の特定性:
「都内某所」など曖昧な表現では証拠能力が弱まります。地図・建物外観・看板など、場所を特定できる補足情報があると強力です。
2-2. 対象者の特定性
- 顔の認識可能性:
対象者の顔が鮮明に写っているかどうかは最重要ポイント。暗い・ブレている写真では「別人の可能性がある」と主張され、証拠力が落ちます。 - 特徴の補強:
顔写真に加え、体型・髪型・服装・持ち物・歩き方などの特徴を報告書内で補足することで「同一人物」と立証しやすくなります。
2-3. 不貞行為を推認できる行動の記録
裁判で不貞行為と認定されるためには、「肉体関係を推測できる行動」が必要です。
単に食事や買い物をしているだけでは「浮気の証拠」とはみなされません。
有効とされる典型例:
- ラブホテルに二人で入室し、数時間~一晩を過ごす
- 宿泊施設の同一部屋に出入りしている
- 深夜帯に自宅以外で長時間一緒に過ごす
報告書には「入室時刻」「退出時刻」「滞在時間」を正確に記載し、行動の連続性を示すことが不可欠です。
2-4. 客観性のある補助資料
報告書の説得力を高めるためには、写真や動画に加え、第三者でも検証できる補助資料 があると強力です。
例:
- 行動のタイムライン(分刻み・時系列表)
- ホテルや施設の領収書コピー
- 交通ICカードの履歴や駐車券
- 調査現場の地図やルート図
これらが揃っていると「改ざんが難しく、事実に基づいた記録」であることを示せます。
2-5. 改ざん防止と証拠保全
最後に大切なのが「証拠の真正性」を守る工夫です。
裁判官は証拠の内容だけでなく、「その証拠が改ざんされていないか」もチェックします。
具体的には:
- デジタル写真のオリジナルデータ(Exif付き)を保存
- 報告書の各ページに探偵社名や調査員名を明記
- 紙媒体と電子媒体の両方で提供
- 必要に応じて調査員が証人として出廷できる体制
こうした管理が徹底されている報告書は、法廷でも高く評価されやすいのです。
✅ まとめると――
裁判で通用する報告書とは、 「日時・場所・人物が正確に特定され、不貞を推測できる行動が客観的かつ改ざん防止措置とともに記録されているもの」 です。
逆に、これらが欠けている報告書は「証拠能力なし」とされる可能性が高いので注意が必要です。
3. 形式と見せ方で変わる!報告書の信頼性を高める工夫

探偵報告書は「どんな証拠を集めたか」だけでなく、どのように整理し、提示するか も裁判や調停での評価を大きく左右します。
同じ証拠写真でも、報告書のまとめ方次第で「強い武器」にも「不十分な資料」にもなり得るのです。
ここでは、信頼性を高めるための具体的な工夫を解説します。
3-1. 読み手を意識した構成
裁判官や調停委員は、多数の資料に目を通すため、報告書は「短時間で全体像を理解できる」ことが重要です。
おすすめの構成は以下の通り:
- 概要(調査目的・対象者・調査期間)
- 調査方法(尾行・張り込み・機材など)
- 詳細な行動記録(時系列順)
- 証拠写真・映像キャプチャ
- 結論(不貞行為を示す事実の要約)
この流れで作成されている報告書は、弁護士も訴状や準備書面に添付しやすく、裁判官も理解しやすいのです。
3-2. 写真や映像の配置と質
- 鮮明な写真を優先:顔や服装が判別できるものを大きく掲載し、不鮮明な写真は補足に回す。
- キャプションを丁寧に:「2025年2月10日 22時15分 ○○ホテル正面入口」など、日時・場所・状況を必ず記載。
- 連続性のある配置:入室 → 滞在 → 退出を一連の流れで見せると、不貞行為の蓋然性が高まる。
3-3. 時系列の見やすさ
調停委員や裁判官は、対象者の行動を「いつ・どこで・誰と・どれくらい」行ったのかを重視します。
そのため、分刻みの時系列表があると非常に理解しやすいです。
例:
- 21:35 対象者と異性A、○○ホテルに入室
- 22:00 照明消灯、対象者の部屋滞在確認
- 翌朝 6:45 二人でホテルを退出
このように「行動の連続性」を視覚的に示すことで、裁判官が迷わず証拠を評価できます。
3-4. 書式・デザインで信用性を高める
- 統一されたフォント・余白 → 読みやすさを確保
- ページ番号・目次 → 証拠の抜けや改ざんを防止
- 社名ロゴ・調査員署名 → 誰が責任を持って作成したかを明示
- 写真に透かしや署名 → 改ざん防止のアピール
裁判所は「見た目の整合性」も無視できません。雑然とした資料は信用性が下がる一因となります。
3-5. 弁護士との連携
- 報告書は「弁護士が法廷で使いやすいかどうか」がカギです。
- 実際、私が過去に扱った案件では、弁護士と事前にフォーマットを調整したことで、証拠採用がスムーズに進みました。
- 弁護士のアドバイスに沿って写真の取捨選択や強調ポイントを整理することで、裁判資料としての完成度が大幅に向上します。
✅ まとめると――
報告書は「内容の正確性」だけでなく、「読みやすさ・説得力・改ざん防止」の観点で形式を整えることで、法廷での信頼性が格段に高まります。
証拠そのものの価値を最大限に引き出すのは、探偵の調査力だけでなく「見せ方」の工夫次第なのです。
4. 判例に学ぶ:探偵報告書が有効とされたケース・無効とされたケース

探偵報告書が「裁判で通用するかどうか」は、過去の判例を見れば明確です。
ここでは、実際に裁判で探偵報告書が 有効と認められた事例 と、逆に 無効とされた事例 を紹介します。依頼者の立場としては「どのような報告書が裁判で評価されるのか」を知ることが、探偵選びや依頼内容を検討する上で非常に重要です。
4-1. 有効とされたケース
① 東京地裁 2019年
夫の不倫を疑った妻が探偵に依頼。
- ホテルに出入りする写真(入室・退出両方)
- 滞在時間の記録(7時間以上)
- 宿泊領収書のコピー
これらが報告書にまとめられ、不貞の蓋然性が極めて高いと判断され、慰謝料200万円が認定されました。
② 大阪家裁 2021年
妻が夫の浮気を調査。
- 3回にわたり、異性とホテルに入る行動を記録
- 行動記録は分刻みで時系列表を作成
- 対象者の顔が鮮明に写った複数の写真
結果、調停で相手側が非を認め、有利な条件で早期和解が成立しました。
③ 名古屋地裁 2022年
探偵報告書には「対象者が特定異性とホテルに入室 → 翌朝退出」という連続写真と、ホテル周辺の防犯カメラ映像の協力資料が添付。
証拠が多角的に揃っていたため、裁判官は 「不貞行為を推認するに足りる」 と判断し、報告書は証拠能力を持つとされました。
4-2. 無効とされたケース
① 名古屋家裁 2020年
夜間に撮影された写真が暗く、対象者の顔が判別できない。
相手弁護士が「別人の可能性がある」と反論し、裁判官もこれを認めたため、証拠としての価値は否定されました。
② 福岡地裁 2022年
探偵が対象者の自宅敷地内に無断で侵入し、室内の様子を撮影。
裁判所は「違法に取得された証拠は証拠能力がない」として却下。依頼者は逆に不利な立場となりました。
③ 東京地裁 2023年
報告書はあったものの、**行動記録が曖昧で「日付が間違っている」「時間が抜け落ちている」**と指摘され、信用性に欠けると判断。
結果、裁判官は証拠能力を否定し、慰謝料請求は棄却されました。
4-3. 判例から学べる教訓
- 顔が判別できない証拠は弱い
- 入室と退出の両方を押さえることが重要
- 1回だけでは不十分、複数回の行動記録が有効
- 違法な手段で取得した証拠は即アウト
- 時系列の整合性が信頼性を左右する
✅ まとめると――
探偵報告書は、調査力そのものだけでなく 「証拠の鮮明さ」「連続性」「合法性」「整合性」 が揃って初めて裁判で武器になります。
つまり「安さ」だけで探偵を選ぶと、せっかく調査しても証拠が無効になるリスクがあるのです。
5. 探偵に依頼する際に必ず確認すべきこと

探偵社に依頼する際、もっとも注意すべきは 「調査を頼んだけれど、裁判で使える証拠が得られなかった」 という失敗を避けることです。
そのためには、契約前に必ずいくつかの重要ポイントを確認しておく必要があります。以下では、現役探偵として依頼者に必ず伝えているチェック項目を解説します。
5-1. 探偵業届出番号の有無
探偵業を行うには、公安委員会への届出が法律で義務付けられています。
- 届出をしていない業者は違法業者。
- 無許可探偵に依頼すると、違法調査や証拠の無効化、最悪の場合は依頼者がトラブルに巻き込まれるリスクがあります。
✅ 契約前に「探偵業届出証明書」の掲示を必ず確認しましょう。
5-2. 契約書に「報告書作成」が明記されているか
安い料金を提示する探偵社の中には、「報告書は別料金」「簡易レポートしか渡さない」といったケースも存在します。
裁判で通用する正式な調査報告書を受け取れるかどうかは、契約書を見れば分かります。
✅ 「報告書作成を含む」「証拠写真付きで納品」と記載されているかを確認しましょう。
5-3. 報告書のサンプルを提示してもらう
信頼できる探偵社は、匿名化したサンプル報告書を提示できます。
- 写真の解像度や鮮明さ
- 時系列の整理の仕方
- 法廷でそのまま提出できる体裁になっているか
これらをチェックすることで「その探偵社がどのレベルの報告書を作れるか」が分かります。
5-4. 写真・動画データの提供形式
裁判での証拠提出では、紙の写真だけでなく デジタルデータの原本 が重視されます。
- PDFやUSBでの納品があるか
- 写真にタイムスタンプ(日時)が記録されているか
- 動画ファイルが改ざん防止措置つきで保存されているか
これらが不十分だと、相手弁護士から「改ざんの可能性がある」と反論されるリスクがあります。
5-5. 弁護士との連携実績
探偵社の中には、弁護士と提携して調査を行い、訴訟を見据えた報告書作成をしているところもあります。
- 「弁護士推奨の書式で報告書を作成」
- 「必要に応じて調査員が証人として出廷可能」
こうした体制がある探偵社を選べば、裁判での証拠価値は格段に高まります。
5-6. 追加費用・オプションの有無
調査費用は「見積もり段階」と「実際の支払い」で食い違うことが多い業界でもあります。
- 追加で写真印刷代を請求された
- 報告書の製本費用が別料金だった
こうしたトラブルを避けるため、契約前に「費用に何が含まれているか」を細かく確認しておきましょう。
✅ まとめると――
探偵に依頼する前には、 「届出番号の有無」「報告書作成の明記」「サンプルの有無」「データ提供形式」「弁護士連携」「追加費用」 を必ず確認してください。
これを怠ると、せっかくの調査が「裁判で使えない証拠」になってしまう恐れがあります。
6. 依頼者ができる準備と証拠保全の方法

探偵に依頼する場合、すべてを丸投げしてしまうよりも、依頼者自身ができる範囲で準備や証拠保全をしておくと、調査の成功率や効率は格段に高まります。
また、依頼者が適切に準備しているかどうかで、報告書の完成度や裁判での証拠力にも大きな差が出ます。ここでは、依頼者が事前にできる具体的な行動を解説します。
6-1. 行動記録をつける
- パートナーの帰宅時間、外出パターン、休日の過ごし方などを日記形式で記録する。
- 「〇月〇日 23時帰宅。服に香水の匂い」など、感覚的なことも残しておくと後で役立つ。
- 記録は手書きノートでもスマホのメモアプリでも構いませんが、日付を改ざんできない形式が望ましい。
6-2. 金銭や交通の履歴を保存
浮気は「出費」に痕跡が残ることが多いです。
- クレジットカード明細
- ICカード(Suica・PASMO等)の利用履歴
- 高速道路のETC履歴
- ホテルや飲食店のレシート
これらは探偵の調査と突き合わせることで、行動の裏付け資料になります。
6-3. 通信履歴の確保
- LINEやメールのやり取り、通話履歴などを削除せずに保全。
- 「怪しい」と思っても勝手に端末を解析したり盗み見するのは違法リスクがあるため注意。
- スクリーンショットを保存する場合は、日時が分かる状態で保存することが重要。
6-4. 自力での尾行や盗撮は避ける
- 自分で追跡や盗撮をすると、違法行為やトラブルにつながる可能性が高いです。
- 例:住居侵入、プライバシー侵害 → 裁判で証拠能力を失うだけでなく、依頼者自身が法的責任を問われることも。
- 証拠収集は必ず探偵に任せ、依頼者は「補助的な証拠保全」にとどめましょう。
6-5. 「証拠ノート」を作成する
- 行動記録・領収書コピー・通信スクリーンショットを一冊にまとめた「証拠ノート」を作成。
- これを探偵に渡すことで、調査の起点や時間帯の絞り込みができ、効率的かつコスト削減につながります。
- 弁護士に引き渡す際にも活用でき、訴訟準備がスムーズになります。
6-6. データの安全な保存方法
- 証拠のデータはクラウドや外付けHDDに二重保存。
- パートナーに見られないよう、パスワード管理や隠しフォルダを活用。
- 調停や裁判で提出する際は、原本を確実に残してコピーを使用。
✅ まとめると――
依頼者ができる準備は、行動の記録・金銭や交通履歴の保存・通信履歴の保全・証拠ノートの作成・データの安全保存。
これらを事前に整えておくことで、探偵は無駄なく調査でき、最終的な報告書の信頼性も大幅に高まります。
7. 実録ケース|勝敗を分けた報告書の差

実際の調停や裁判において、探偵報告書の質が依頼者の結果を大きく左右した事例は少なくありません。
ここでは、現役探偵として経験したケースをもとに「成功した例」と「失敗した例」を比較し、なぜ差が出たのかを解説します。
7-1. 成功事例:証拠の質と連続性で慰謝料増額
ケース概要
依頼者:30代女性
対象者:夫(40代・会社員)
夫の帰宅が遅くなり、休日に外出が増えたため調査を依頼。
調査結果
- ラブホテルに女性と入室する瞬間を鮮明に撮影
- 入室から退出までの7時間を時系列で記録
- 領収書とICカード利用履歴を照合して裏付け
- 証拠写真は顔がはっきり分かる高画質
裁判での結果
- 探偵報告書が「第三者の客観的証拠」として高く評価
- 裁判官は「肉体関係を持ったことは明白」と判断
- 慰謝料200万円が認定され、依頼者有利の判決に
✅ ポイント
- 入室・退出の両方を押さえた
- 複数の証拠(写真・領収書・交通履歴)が一致
- 報告書が体系的に整理され、裁判官が理解しやすかった
7-2. 失敗事例:証拠不十分で和解額が減額
ケース概要
依頼者:40代男性
対象者:妻(30代後半・パート勤務)
妻が頻繁に外泊するようになり調査を依頼。
調査結果
- 夜間に男性と一緒に歩いている姿を撮影
- ホテルに入る瞬間は撮れず
- 写真は暗く、顔の判別が難しい
- 行動記録に時間の抜け落ちがあり、整合性が取れない
調停での結果
- 相手弁護士は「別人の可能性がある」と主張
- 調停委員も「不貞を断定するには弱い」と判断
- 慰謝料請求は認められたが金額は50万円に減額
✅ ポイント
- 入室の証拠がなく「不貞の蓋然性」が低かった
- 写真が不鮮明で証拠能力が弱まった
- 行動記録の不整合で信用性が下がった
7-3. 教訓:報告書の「差」が結果を決める
- 成功する報告書は 「鮮明な写真」+「行動の連続性」+「裏付け資料」 が揃っている
- 失敗する報告書は 「証拠の欠落」や「不鮮明な写真」 が致命的
- 調停や裁判は「疑い」ではなく「立証」で動くため、探偵選びが勝敗を分ける
✅ まとめると――
報告書の出来次第で、慰謝料額が 数十万円〜数百万円単位 で変わることも珍しくありません。
依頼前に「どのレベルの報告書を作成できる探偵か」を確認することが、何よりのリスク回避策となります。
8. 現役探偵からのアドバイス:報告書で後悔しないために

探偵報告書は、離婚や慰謝料請求において「最後の切り札」となる大切な証拠です。
しかし、依頼者の中には「安さだけで選んで後悔した」「証拠が弱くて裁判で不利になった」という方も少なくありません。
ここでは、20年以上現場に携わってきた探偵として、報告書で後悔しないための実践的なアドバイスをお伝えします。
8-1. 「安さ」に惑わされない
- 調査料金が極端に安い探偵社は、報告書が簡素で証拠能力が不十分な場合が多いです。
- 「証拠は取れたけど顔が判別できない」「報告書は2ページだけ」など、結局裁判では使えず再調査になるケースも。
- 費用は確かに大事ですが、安物買いの銭失い にならないよう注意が必要です。
8-2. 証拠は“量より質”
- 写真が100枚あっても、暗くて顔が判別できなければ意味がありません。
- 裁判官が評価するのは「決定的な1枚」。
- 入室から退出までの流れを押さえた 鮮明な写真1セット が、ボケた写真の束よりもはるかに価値があります。
8-3. 弁護士と連携した報告書は強い
- 弁護士が介入している案件では、探偵報告書が「そのまま訴状に添付できる形式」で求められます。
- そのため、弁護士と連携している探偵社は報告書の書き方も裁判向けに最適化されています。
- 私の経験上、弁護士推奨の探偵社 は報告書の質も高く、裁判で有利になる確率が高いです。
8-4. 「証拠の鮮度」が勝敗を分ける
- 浮気調査では、証拠のタイミングが遅れると「もう関係が解消していた」と反論されることがあります。
- 例えば、1年前の証拠だけでは「現在進行形」とは認定されにくいのです。
- 報告書を裁判で使うなら、できるだけ新しい証拠 を確保することが不可欠です。
8-5. 調査員の出廷体制を確認する
- 裁判では、報告書だけでなく「調査員本人の証言」が求められることもあります。
- その際、調査員が出廷を拒否する探偵社だと、証拠の信用性が下がってしまいます。
- 契約時に「調査員が証人として出廷可能か」確認しておくと安心です。
8-6. 長期戦を見据えた依頼を
- 離婚や調停は短期で終わることもあれば、半年〜1年以上かかる場合もあります。
- その間に追加調査が必要になることもあるため、継続的なサポート体制がある探偵社を選ぶのが理想です。
✅ まとめると――
探偵報告書で後悔しないためには、
- 安さより質を重視する
- 鮮明で決定的な証拠を優先する
- 弁護士と連携できる探偵社を選ぶ
- 証拠の鮮度を意識する
- 調査員の出廷体制を確認する
この5点を意識するだけで、裁判や調停での勝率は大きく変わります。
9. よくある質問(FAQ)
ここでは、依頼者から実際に多く寄せられる質問をまとめ、現役探偵の視点から分かりやすく回答します。
不安や疑問を一つひとつ解消することで、依頼を前向きに検討できるようになります。
Q1. 探偵報告書は本当に裁判で使えますか?
A. はい。適切に作成された報告書は裁判所でも有効な証拠として扱われます。
ただし、日時・場所・対象者の特定が正確 で、かつ 不貞行為を推認できる内容 が揃っていることが条件です。
Q2. 1回だけホテルに入った写真で証拠になりますか?
A. 1回だけでは「浮気の可能性はあるが継続性は不明」と判断されることがあります。
複数回の入退室を記録した方が、慰謝料請求や離婚裁判で有利になります。
Q3. 報告書は紙だけでなくデータでももらえますか?
A. 多くの探偵社では、製本した報告書+デジタルデータ(USBやPDF) の両方で納品可能です。
データがあれば弁護士も裁判資料に組み込みやすく便利です。
Q4. 自分で集めた証拠と探偵報告書、どちらが強いですか?
A. 自分で集めた証拠(LINEやメールなど)も補助的には有効ですが、違法性が疑われる取得方法 だと証拠能力が否定される可能性があります。
探偵報告書は合法的に取得した証拠なので、裁判では圧倒的に信頼性が高いです。
Q5. 違法に撮影された証拠はどうなりますか?
A. プライバシー侵害や不法侵入など違法に得られた証拠は、裁判で証拠能力を認められません。
逆に依頼者や探偵が責任を問われるリスクもあるため、必ず合法的な調査を依頼することが大切です。
Q6. 調査員は裁判に出廷してくれますか?
A. 信頼できる探偵社であれば、必要に応じて調査員が証人として出廷可能です。
契約時に「出廷可能か」を確認しておくと安心です。
Q7. 報告書をもらうまでにどれくらいかかりますか?
A. 通常は調査終了から 1週間前後 で納品されるケースが多いです。
裁判や調停の期日が迫っている場合は、事前に納期を相談すると優先対応してもらえることもあります。
Q8. 写真が暗くて顔が見えにくい場合はどうなりますか?
A. 顔が判別できない写真は証拠力が弱まります。
そのため、プロの探偵は暗視カメラや高感度レンズを使用して「裁判で通用するレベルの写真」を確保します。
Q9. 探偵報告書は慰謝料の金額に影響しますか?
A. はい。証拠が明確であればあるほど、裁判所は慰謝料を高額に認めやすくなります。
例えば、あいまいな証拠しかない場合は50万円程度でも、決定的な報告書があれば200万円以上に増額された例もあります。
Q10. 夫婦関係が改善したい場合でも報告書は役立ちますか?
A. 役立ちます。報告書があれば「裏切りの事実」を突きつけ、相手に改善を迫る交渉材料になります。
また、カウンセリングや夫婦関係修復のための現実的な材料としても活用できます。
Q11. どの探偵社でも同じレベルの報告書がもらえますか?
A. いいえ。探偵社によって報告書の質は大きく異なります。
簡素な報告だけのところもあれば、裁判提出用のフォーマットを徹底している探偵社もあります。
✅ まとめると――
FAQの通り、探偵報告書は 合法性・鮮明さ・連続性・信頼性 が揃って初めて裁判で武器になります。
依頼前に疑問を解消しておくことで、安心して調査を進められるのです。
10. まとめ|確実に証拠を残し、有利な解決を目指す

離婚や不倫トラブルにおいて、調停や裁判を有利に進めるために必要なのは「真実」ではなく「証拠」です。
その中でも、探偵が作成する調査報告書は 第三者の客観的資料 として、裁判所から非常に高く評価されます。
しかし、すべての探偵報告書が裁判で通用するわけではありません。
本コラムで解説したように、裁判で有効とされる報告書には以下の条件が必須です。
- 日時・場所・対象者を正確に特定している
- 不貞行為を示す入室・退出などの行動が連続して記録されている
- 写真や映像が鮮明で、第三者でも確認できる
- 補助資料(領収書・交通履歴など)で裏付けされている
- 改ざん防止の工夫がされており、証拠の真正性が担保されている
これらが揃っていれば、報告書は 裁判の勝敗を左右する決定的な武器 となります。
探偵選びが未来を決める
報告書の質は探偵社ごとに大きく異なります。
- 安さだけで選べば、証拠が弱く裁判で不利になるリスク
- 信頼できる探偵を選べば、数百万円規模の慰謝料獲得や親権争いで有利に進められる
つまり、探偵選びは 未来を決める分岐点 なのです。
現役探偵からのメッセージ
私が20年以上の現場経験で感じるのは、「報告書の質で人生が変わる」 という事実です。
証拠が弱ければ泣き寝入りするしかない一方、裁判に通用する証拠が揃えば、依頼者は堂々と主張できます。
だからこそ、依頼前には必ず「報告書の質」を基準に探偵社を選んでください。
行動することが解決への第一歩
- 今パートナーに疑念を抱いているなら、早めの行動が大切です。
- 証拠は時間が経つほど集めにくくなり、関係が解消されれば「現在の不貞」として認められにくくなります。
- 不安を抱え込まず、まずは専門家に相談してください。
✅ 最後に――
探偵報告書は単なる「調査の記録」ではなく、あなたの未来を守る武器 です。
裁判で勝つために、後悔しないために、そして人生を前に進めるために――
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この探偵コラムの著者
梅澤 賢樹
Umezawa Masaki
総合探偵社R.A.D CEO
株式会社ディバイン 代表取締役社長
総合探偵社リザルト東京 副代表
株式会社リザルト 専務取締役
PROFILE
大手探偵社にて探偵としての調査スキルを習得した後、独立。探偵歴23年のキャリアを誇り、年間500件以上の浮気問題や人探しなどの探偵業務を取り扱う現役の探偵として活躍している。2007年に東京都港区六本木に「総合探偵社リザルト東京」を設立。六本木を中心としたエリアで浮気調査・企業の法人調査を多数取り扱う。2023年に新たに総合探偵社R.A.Dを埼玉県川口市に設立。主に東京都・埼玉県内を中心に年間約500件の浮気調査を取り扱うカリスマ探偵として活躍中。
浮気問題に強い弁護士や家庭問題を取り扱うカウンセラーなどの専門職と連携して多くの浮気問題を解決してきた実績がある。
・20年間で延べ10,000件超の尾行・張り込み実績あり
・探偵業法/個人情報保護法研修を年1回研修を実施
・探偵業開始届出証明書番号:埼玉県公安委員会 第43230057号(総合探偵社R.A.D)
・探偵業開始届出証明書番号:東京都公安委員会 第30070007号(総合探偵社リザルト東京)
・弁護士事務所、家庭問題カウンセラー協力契約店
・離婚調停/訴訟提出用報告書の裁判採用率96%(2023‑2024)
